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【事例3選】経理業務を効率化する方法の完全ガイド!メリット・注意点も解説
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【事例3選】経理業務を効率化する方法の完全ガイド!メリット・注意点も解説

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経理という仕事は、日常的に事務作業が多く発生します。そのため、経理業務の効率化は、企業の生産性向上とコスト削減に直結します。

 

本記事では、経理業務を効率化するための具体的な方法を3つの事例を通じて詳しく解説します。それぞれの方法にはメリットだけでなく、注意すべきポイントもありますので、効率化する方法を実践する前にしっかりと理解しておくことが重要です。経理担当者や経営者にとって必見の内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください。

 

経理業務におけるよくある悩みと課題

経理業務を担当する現場では、以下のような悩みや課題が存在しています。

 

  • 経理担当者の人材不足と属人化している
  • セキュリティ対策への負担が大きい
  • 法改正へ柔軟に対応しなければならない
  • 他部署との連携がスムーズにできない
  • 紙の書類が多くペーパーレス化できていない

 

経理担当者の人材不足と属人化している

 

経理担当者の人材不足と属人化していることが大きな悩みです。経理業務は専門知識が求められるため、人材の確保が難しく、特定の担当者に業務が集中しがちです。

 

その結果、担当者の負担が増え、業務の効率が低下しやすくなります。また、担当者が退職や異動する際には、引き継ぎがスムーズに行えず、業務の継続に支障をきたすことがあります。

 

セキュリティ対策への負担が大きい

 

セキュリティ対策への負担が大きい点も経理担当者の悩みのひとつです。経理業務では機密情報を多く扱うため、情報漏洩や不正アクセスを防ぐためのセキュリティ対策が欠かせません。

 

しかし、これらの対策には時間やコストがかかり、担当者の負担が増大します。さらに、最新のセキュリティ技術や規制に対応する必要があり、継続的な学習と柔軟な適応が求められます。

 

法改正へ柔軟に対応しなければならない

 

法改正に柔軟に対応しなければならない点も経理業務の課題です。税制や会計基準は頻繁に変更されるため、それに対応するための知識や手続きの更新が必要です。

 

法改正に迅速に対応できないと、法令違反や業務の遅延が発生するリスクがあります。したがって、最新の法改正情報を常に把握し、適切な対策への準備を進めることが求められます。

 

他部署との連携がスムーズにできない

 

他部署との連携がスムーズにできない点も経理業務の悩みです。経理担当者は、請求書や領収書のやり取りを含めて、他部署との情報共有や調整が必要な場面が多くありますが、各部署の業務内容や優先すべきルールが異なるため、連携が難しいことがあります。

 

これにより、情報の伝達ミスや業務の遅延が発生し、効率的な業務の遂行が困難になることがあります。

 

紙の書類が多くペーパーレス化できていない

 

紙の書類が多くペーパーレス化できていない点も課題です。多くの企業では未だに紙の書類を多用しており、保管や管理に手間がかかります。

 

さらに、紙の書類は紛失や劣化のリスクがあり、情報の保全が難しいことも悩みの種です。ペーパーレス化を進めることで業務効率が向上し、環境にも配慮できるため、デジタル化の推進が求められます。

ポイントは「ムリ」「ムダ」「ムラ」の削減

経理業務の効率化を図るためのポイントとして、「ムリ」「ムダ」「ムラ」の削減が重要です。これら3つの要素は通称「3M」と呼ばれて、生産管理や物流現場でも広く用いられる視点です。

 

この概念はトヨタ自動車株式会社の「トヨタ生産方式」が代表例です。経理の現場でも応用ができ、経理業務の無駄を排除し、業務効率を向上させるための基本的な視点となります。

 

まず、「ムリ」の削減についてです。ムリとは、過度な業務負担や非現実的な作業要求を指します。

 

経理担当者に無理な作業量や短納期を課すと、ミスが増え、品質の低下を招きます。適切な人員配置や業務の分担を見直し、業務負荷を均等にすることで、ムリを減らすことができます。

 

次に、「ムダ」の削減についてです。ムダとは、不要な作業や重複した業務プロセスを指します。例えば、手作業でのデータ入力や紙の書類の管理など、デジタルツールを活用すれば省ける作業が多く存在します。

 

これらのムダを排除するためには、業務プロセスを見直し、デジタル化や自動化を進めることが重要です。クラウド会計ソフトや経費精算システムの導入により、手作業の手間を減らし、業務を効率化することが可能です。

 

最後に、「ムラ」の削減についてです。ムラとは、業務量や作業品質のばらつきを指します。例えば、月末に業務が集中してしまい、平常時に比べて担当者の負荷が大幅に増えることがムラの典型例です。

 

このようなばらつきをなくすためには、業務の平準化が必要です。月次決算業務を計画的に前倒しで行うなど、ピーク時の負荷を平準化する工夫を取り入れることで、担当者の負担を軽減し、業務の安定性を高めることができます。

 

「ムリ」「ムダ」「ムラ」を削減することは、経理業務の効率化に直結します。これらの視点を取り入れた業務改善により、経理担当者の負担を軽減し、全体の業務効率を大幅に向上させることが可能となります。

経理業務を効率化するメリット

経理業務を効率化することには、主に以下のようなメリットがあります。

 

  • コストの削減につながる
  • コア業務に集中できる
  • ヒューマンエラーを減らせる

ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

 

コストの削減につながる

 

経理業務を効率化することにより、コストの削減が実現します。手作業によるデータ入力や紙の書類管理をデジタルツールで自動化することで、作業時間が短縮され、人件費が削減されます。

 

また、業務プロセスの見直しによって無駄な業務が削減され、効率のよい業務フローが生まれます。結果として、経理部門全体のコストが削減され、企業の経営状況が改善されます。

 

コア業務に集中できる

 

経理業務の効率化により、担当者はコア業務に集中できるようになります。ルーチンワークや単純作業が自動化されることで、経理担当者はより付加価値の高い業務に専念することが可能となります。

 

これには、経営戦略の立案や財務分析、予実管理などの付加価値につながります。効率化によって生じた余裕を活かし、企業全体の成長や発展に貢献する戦略的な活動が増えることも期待できるでしょう。

 

ヒューマンエラーを減らせる

 

経理業務を効率化することで、ヒューマンエラーを減らすことができます。手作業によるデータ入力や計算はミスが発生しやすく、これが後々のトラブルや修正作業につながります。

 

しかし、クラウドツールや自動化システムを導入することで、入力ミスや計算ミスが大幅に減少します。結果として、業務の正確性が向上し、信頼性の高い会計データが得られるようになります。これにより、企業の経営判断が迅速かつ適切に行えるようになります。

経理業務を効率化する方法

経理業務を効率化するには、具体的にどのような方法があるのでしょうか。ここでは、以下のような方法について詳しく紹介します。

 

  • 業務マニュアルを作成する
  • ペーパーレス化やキャッシュレス化を進める
  • 会計ソフトを導入する
  • ECRS(イクルス)の原則を活用する
  • 経理代行サービスに依頼する

 

業務マニュアルを作成する

 

経理業務を効率化するためには、まず業務マニュアルを作成することが有効です。マニュアルには、各業務の手順や注意点を詳細に記載し、誰でも一定の品質で業務を遂行できるようにします。

 

これにより、新任担当者の教育がスムーズになり、業務の属人化を防ぐことができます。また、マニュアルを定期的に見直すことで、業務の改善点を洗い出し、継続的な効率化を図ることができます。

 

ペーパーレス化やキャッシュレス化を進める

 

経理業務の効率化には、ペーパーレス化やキャッシュレス化を進めることも重要です。紙の書類をデジタル化することで、保管スペースや管理コストを削減でき、情報の検索や共有もスピーディに行えます。

 

また、キャッシュレス化により、現金管理の手間が減り、取引の記録が自動化されるため、経理担当者の負担が軽減されます。これにより、業務の正確性とスピードが向上し、全体の効率が大幅に改善されます。

 

会計ソフトを導入する

 

経理業務を効率化する方法として、会計ソフトの導入も効果的です。会計ソフトは、複雑な計算やデータ入力を自動化し、ミスを減らすとともに、業務のスピードを向上させます。

 

また、リアルタイムで財務状況を把握できるため、経営判断の迅速化にもつながるでしょう。さらに、クラウド型の会計ソフトを使用すれば、どこからでもアクセスでき、リモートワーク環境でも円滑に業務を進めることが可能です。

 

ECRS(イクルス)の原則を活用する

 

経理業務の効率化には、ECRS(イクルス)の原則を活用することが有効です。ECRSは、「排除(Eliminate)」「結合(Combine)」「再配置・入れ替え(Rearrange)」「簡素化(Simplify)」の4つの視点から業務を見直す手法です。

 

これにより、不要な業務の排除や作業の結合・再配置、手順の簡素化が図られ、全体の業務プロセスが最適化されます。結果として、効率的で無駄のない経理業務が実現されます。

 

経理代行サービスに依頼する

 

経理業務を効率化するためには、経理代行サービスに依頼することもひとつの方法です。専門の事業者に経理業務をアウトソースすることで、内部リソースを節約し、コア業務に集中できるようになります。

 

また、専門知識を持つプロフェッショナルが対応するため、業務の精度やスピードが向上し、法改正への対応もスピーディに行えます。これにより、企業全体の経理業務の効率化と品質向上が期待できます。

 

なお、弊社では、経理代行サービスのビズネコを提供しています。記帳代行から財務のコンサルティングまで幅広く対応が可能です。まずは、お気軽にお問い合わせください。

 

 

経理業務の効率化における注意点

経理業務の効率化を進めることにはさまざまなメリットがありますが、一方で注意しなければいけない点もあります。ここでは、以下の注意点について詳しく解説します。

 

  • 効率化する目的を整理してから実行する
  • 経営者と現場の両方の視点で考える
  • 細かなミスは許容して差し戻しを減らす

 

効率化する目的を整理してから実行する

 

経理業務の効率化においては、効率化する目的を整理してから実行することが重要です。単に業務を早く終わらせるだけでなく、何のために効率化を行うのかを明確にすることで、具体的な目標が設定できます。

 

例えば、コスト削減や業務の正確性向上、戦略的業務へのシフトなど、目的に応じた効率化の手段が選定されます。これにより、効果的かつ持続可能な業務改善が実現され、組織全体のパフォーマンスが向上します。

 

経営者と現場の両方の視点で考える

 

経理業務の効率化には、経営者と現場の両方の視点で考えることが必要です。経営者の視点では、全体の戦略や経営目標に合致する効率化が求められます。

 

一方で、現場の視点では、日々の業務フローや実際の作業負荷を考慮した実行可能な方法が重要です。両者の視点をバランスよく取り入れることで、実効性の高い効率化策が策定され、現場の抵抗感を減らし、スムーズな導入が可能となります。

 

細かなミスは許容して差し戻しを減らす

 

経理業務の効率化において、時には細かなミスは許容して差し戻しを減らすことも大切なことがあります。完璧を追求しすぎると、業務のスピードが低下し、効率化の本来の目的が達成されません。

 

むしろ、ミスが発生した際には、それを迅速に修正するための体制やフローを整えることが大切です。こうすることで、業務全体の流れが滞ることなく進行し、結果的に業務の効率が向上します。その結果、ミスを最小限に抑えつつ、柔軟に対応する姿勢が求められます。

経理業務が効率化した事例3選

経理業務が効率化した事例として、以下の3社を紹介します。

 

  • 株式会社クレディアンス
  • 株式会社HGPK
  • 株式会社ENTER

それぞれ、弊社が提供する経理代行サービスであるビズネコにて実際に対応した案件になりますので、ぜひ参考にしてください。

 

株式会社クレディアンス

 

株式会社クレディアンスは、神奈川県厚木市の産業廃棄物処理業者です。廃棄物の収集から運搬、処理、処分まで幅広く行っています。ビズネコでは、経理代行と事務代行のアウトソーシングサービスの導入を提供して、業務効率化につながりました。

 

経理代行サービスの導入により、請求書の作成から発送までのプロセスが大幅に改善されました。

 

また、経理代行だけではなく事務代行も依頼したことで、月末の業務遅延が解消し、迅速かつ正確な対応が可能になりました。その結果、社内リソースを他のコア業務に集中させることができ、会社全体の業務効率が向上しました。

 

株式会社クレディアンスの事例については以下のページで詳しく解説しています。

 

請求書発送までのプロセスが大幅に改善!
請求書発送までのプロセスが大幅に改善!

 

株式会社HGPK

 

株式会社HGPKは広島県、岡山県、香川県、大阪府にオフィスを構える保険代理店です。「顧客第一主義をモットーに、最適な保障をご提案することを使命とする会社宣言」を信念にお客様の利益を最優先として、ライフプランニングを提供しています。

 

ビズネコでは、給与計算業務を代行して、属人的な業務の整備と作業時間の削減を実現しました。

 

経理代行サービスの導入後は、給与計算業務に費やしていた時間をほとんどゼロにすることができました。担当社員もコア業務以外に時間を費やすことがなくなり、営業担当もバックオフィスの負担を気にせずに、営業活動に注力できるようになりました。

 

また、給与計算のルールについて、弊社から責任を持ってマニュアル化し、メンテナンスを行いました。その結果、人的リスクの回避による安心感の提供にもつながりました。

 

株式会社HGPKの事例については以下のページで詳しく解説しています。

 

マニュアル化で営業活動に注力!
マニュアル化で営業活動に注力!

 

株式会社ENTER

 

株式会社ENTERは、東京都新宿区のスタートアップ企業です。「メディアを通じて世界に響く感動とファン創出を実現する」という企業理念を掲げ、広告・宣伝に関する企画制作からデジタルサイネージ・LEDの販売代理まで、さまざまな業務を展開しています。

 

ビズネコでは、請求業務の代行サービスを提供して、業務効率化に貢献しました。

 

経理代行サービスの導入後は、従業員が請求業務に費やしていた時間をほとんどゼロに近づけることができ、請求業務を意識しなくてよくなりました。

 

また、経理にかかる業務や、バックオフィスの負担を気にせず事業拡大に注力できるようにもなりました。さらに、督促の必要もなくなったことから、心理的な負担がなくなった点も、大きな効果といえるでしょう。

 

株式会社ENTERの事例については以下のページで詳しく解説しています。

 

毎月20時間以上の業務がほとんどゼロに!
毎月20時間以上の業務がほとんどゼロに!

 

まとめ

経理業務には、人材不足と属人化をはじめとしたさまざまな悩みがあります。これらの課題解決のポイントは「ムリ」「ムダ」「ムラ」の削減を行うことです。

 

業務マニュアルの作成や、ペーパーレス化、キャッシュレス化など、経理業務を効率化する具体的な方法はいくつかありますが、最もおすすめな方法は経理代行サービスに依頼することです。

 

なお、弊社では、経理代行サービスのビズネコを提供しています。記帳代行から財務のコンサルティングまで幅広く対応が可能です。まずは、お気軽にお問い合わせください。

 

経理の効率化に関するよくあるご質問

経理の効率化についてのお問い合わせを多くいただきます。ここでは、経理の効率化に関するよくあるご質問についてまとめて紹介します。

経理の一番忙しい時期はいつですか?

経理の一番忙しい時期は、一般的に年度末や四半期末、月末です。特に年度末には決算業務が集中し、膨大な書類の処理や報告書の作成が必要となるため、多忙を極めます。そのため、日々の業務を効率化しておくことで、一番忙しい時期を乗り越える運用方法を検討することがおすすめです。

経理の残業が多い理由は何ですか?

経理の残業が多い理由は、締め切りが厳しく、月末や年度末に大量のデータ入力や書類整理が集中するためです。加えて、正確さが求められるため、時間をかけて確認作業を行う必要もあります。クラウド型の会計ソフトや経理代行サービスの導入を検討して、日々のデータ入力にかかる手間を削減することがおすすめです。

経理はなぜ人気があるのでしょうか?

経理は、どの会社でも必要な仕事であり、安定した需要と専門知識の活用ができる職種であるため人気があります。さらに、企業の財務状況を把握し、経営に貢献する役割を持つため、やりがいを感じられる点も人気の理由です。資格取得によってキャリアアップが可能であり、自身の市場価値を高められるメリットもあります。

この記事の監修者

菊池 星

菊池 星

東北大学卒業後に野村證券株式会社入社。資産運用における法人営業成績では同世代で全国1位を獲得し、その後中小企業向けの財務コンサルタントに選抜される。2021年からは、金融・ITコンサルタントとして企業向けに活動を始め、2022年6月から株式会社 full houseをスタートさせる。コンサルティングの経験から、代表取締役として、経理代行・アウトソーシングの「ビズネコ」を事業展開している。