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やってはいけない7つの経費削減!効果的なアイデア12選も紹介!
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やってはいけない7つの経費削減!効果的なアイデア12選も紹介!

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「経費削減」という言葉は、企業の永遠の課題であり、多くの経営者が頭を悩ませていることでしょう。もちろん、売上アップも大切ですが、経費を削減することで利益率を高めることは、企業の安定経営に必要不可欠です。
しかし、安易な経費削減は、企業の成長を阻害するだけでなく、従業員のモチベーション低下や顧客離れといった深刻な問題を引き起こす可能性もあります。

 

この記事では、やってはいけない経費削減の具体例を7つ挙げ、その危険性を解説します。さらに、効果的な経費削減アイデアの12選を紹介します。

 

経費削減は短期的な視点ではなく、中長期的な視点で行いましょう。企業の成長を妨げない、持続可能な経費削減の方法を学びたい経営者や経理の担当者の方は、ぜひご一読ください。

 

やってはいけない7つの経費削減とは?

やってはいけない経費削減として以下の7点があげられます。

 

  • NG行為1:一律な目標を定める
  • NG行為2:理由を伝えないこと
  • NG行為3:商品やサービスの質を下げる
  • NG行為4:ツールやシステムのスペックを下げる
  • NG行為5:研究開発や人材育成を中止する
  • NG行為6:安易な人員の削減
  • NG行為7:従業員のコストカット

 

それぞれのNG行為について詳しく解説します。

 

NG行為1:一律な目標を定める

 

 

経費削減を行う際に一律の目標を設定することは危険です。異なる部門やプロジェクトにはそれぞれ特有のコスト構造や必要経費が存在し、一律な目標を課すことで不合理な経費削減が行われる可能性が高まってしまうでしょう。

 

結果として、必要な支出まで削減され、業務効率や品質の低下を引き起こしかねません。さらに、従業員のモチベーションが低下し、短期的なコスト削減に集中するあまり、長期的な成長や競争力が損なわれるリスクもあります。

 

そのため、経費削減の目標は各部門の特性や状況を考慮し、柔軟かつ適切に設定することが求められます。

 

NG行為2:理由を伝えないこと

 

 

経費削減の決定を行う際、その理由を社員に伝えないことは、企業全体に悪い影響を及ぼす可能性があります。従業員は突然のコストカットに戸惑い、不安や不信感を抱くことが多いため、適切な情報共有が欠かせません。

 

経費削減の理由が明確に伝わらないと、従業員は企業の方向性や自分自身の将来について疑問を持ち、生産性の低下や士気の低下につながることがあります。

 

経費削減の背景や目的を具体的に説明することで、従業員の理解と協力を得ることができ、前向きな姿勢で取り組むことが可能になります。企業としての透明性と信頼性を高めるためにも、経費削減の理由を適切に伝えることが大切です。

 

NG行為3:商品やサービスの質を下げる

 

 

経費削減のために商品やサービスの質を下げることは、短期的にはコスト削減につながるかもしれませんが、長期的にはブランド価値の低下や顧客離れを引き起こすリスクが高まります。

 

顧客は商品やサービスの質の低下をすぐに察知し、不満を抱いたり、他社に乗り換える可能性が高いです。そのため、これまで築いてきた信頼やブランドイメージを損なう結果を招きかねません。

 

また、品質低下によるクレーム対応や補償などの追加コストが発生することもあるため、経費削減の効果が帳消しになることもあります。顧客満足度を維持し、競争力を保つためには、品質を犠牲にしない経費削減策を模索することが重要です。

 

NG行為4:ツールやシステムのスペックを下げる

 

 

経費削減の一環としてツールやシステムのスペックを下げることは、有効な手段に見えるかもしれませんが、長期的には生産性の低下や業務効率の悪化を招く可能性があります。

特に、IT関連のシステムや業務ツールは、最新の機能を活用することで業務のスピードアップや効率化が図られますが、スペックを落とすことでこれらのメリットを享受できなくなるリスクがあります。

また、操作性の低下やシステムの対応速度が低くなることにより、従業員のストレスも増加し、結果的にコスト削減以上の損失を被ることも考えられます。経費削減を考える際は、ツールやシステムの更新がもたらす長期的な価値を見失わないようにすることが重要です。

 

NG行為5:研究開発や人材育成を中止する

 

 

経費削減を行う際に、研究開発や人材育成を削ることは、企業の未来を危うくする最悪の判断です。短期的なコスト削減にはなりますが、将来的な成長機会や新たな収益源を失うリスクが非常に高くなります。

 

特に、競争の激しい市場においては、革新性や技術力の低下は致命的です。また、人材育成を軽視することで、社員のスキルが時代に追いつかなくなり、企業全体の競争力も低下します。

 

研究開発や人材育成は、コストではなく投資と捉え、長期的な視点で継続的な資源投入を行うことが、企業の持続的な成長につながります。

 

NG行為6:安易な人員の削減

 

 

経費削減の手段として安易に人員を削減することは、企業にとって短期的なコスト圧縮にはなりますが、長期的には大きな代償を伴うことが多いです。

 

残された従業員には過重な負担がかかり、業務効率や品質の低下、そして社員のモチベーション低下につながります。さらに、組織のノウハウや重要なスキルを持つ人材が失われることで、将来的な競争力の低下も招きかねません。

 

人員削減は最後の手段とすべきであり、まずは業務の見直しや自動化の推進など、他の手段を模索することが重要です。社員を守りながら持続可能な経営を目指すアプローチが求められるでしょう。

 

なお、中小企業ではいわゆる「一人経理」と呼ばれる、ひとりですべての業務を行う経理担当者の方もいます。「一人経理」のリスクについては以下の記事も参考にしてください。

 

一人経理に潜むリスクとは?業務負担度チェックリストと解決策
一人経理に潜むリスクとは?業務負担度チェックリストと解決策

 

NG行為7:従業員のコストカット

 

 

従業員の給与や福利厚生を削減することは、短期的なコスト削減にはつながるものの、長期的には企業のパフォーマンスや従業員の士気に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

 

従業員は企業の最も重要な資産であり、社員の働きが企業の成長に直結しています。そのため、コストカットによりモチベーションが低下すると、生産性の低下や優秀な人材の流出を引き起こすリスクが高まります。

 

結果として、結果的に経費削減以上の損失を被ることも少なくありません。従業員の満足度を保ちながら、他の経費削減策を検討することで、健全な経営を維持することにもつながるでしょう。

誤った経費削減によるリスク

企業における誤った経費削減によってどのようなリスクが生じるのでしょうか。ここでは、代表的な以下のリスクについて詳しく解説します。

 

  • 成長機会が損失するリスク
  • 従業員の離職につながるリスク
  • 顧客離れが起きるリスク

 

成長機会が損失するリスク

 

 

誤った経費削減は企業の成長機会を奪うリスクを孕んでいます。特に、研究開発や新規プロジェクトへの投資、人材育成の停止は、将来の競争力を著しく低下させる要因となります。

 

新商品の開発や市場拡大のチャンスを逃し、結果として売上の停滞や業界での地位の低下に直結することが多いです。また、他社が革新を続ける中で自身の停滞が目立ち、顧客からの評価も低下してしまうでしょう。

 

経営者には、短期的なコスト削減が将来の成長を阻害し、長期的な収益減少を招くリスクを十分に理解した上での判断が求められます。

 

 

従業員の離職につながるリスク

 

 

経費削減の影響が従業員に及ぶと、彼らのモチベーションや満足度が低下し、離職のリスクが増加してしまいます。給与や福利厚生の削減、働きやすさの低下は、特に優秀な人材にとって大きな不満の要因となり得ます。

 

また、残された従業員には過重労働が強いられることが多く、ストレスの増加や業務効率の低下を招き、さらなる離職の悪循環を生むことも考えられます。

 

そして、離職率の上昇は、採用コストや教育コストの増加につながり、短期的な削減が長期的な経費増大を引き起こす結果となるため、慎重な対応が必要です。

 

顧客離れが起きるリスク

 

 

経費削減が商品やサービスの品質に影響を及ぼすと、顧客離れのリスクが急増します。顧客は品質低下に敏感で、期待通りの価値を提供できない企業からはすぐに離れてしまいます。

 

特に、価格競争が激しい市場では、品質やサービスが顧客の選定基準となるため、信頼を失うことは致命的です。

 

また、一度失った顧客を取り戻すためには、マーケティングやプロモーションに多額の費用が必要となり、短期的な経費削減の効果が帳消しになる可能性もあります。顧客満足度を維持することが、経営の持続可能性を高めることにつながるでしょう。

会社の経費削減に効果的なアイデア12選

ここでは、会社の経費削減に効率的なアイデア12選として、以下の案を紹介します。

 

  • 紙でのデータ管理を電子化する
  • AIやRPAで業務を自動化する
  • 不必要な接待や出張をなくす
  • 業務のマニュアル化や標準化を進める
  • 備品は新品ではなく中古品を検討する
  • テレワークやフリーアドレスを取り入れる
  • ガスや電気の契約を見直す
  • 月額費用のかかるサービスを見直す
  • インターネット回線を利用した電話に変える
  • 補助金や助成金を申請する
  • 経費精算システムを導入する
  • 経費精算のアウトソーシングをする

 

紙でのデータ管理を電子化する

 

紙でのデータ管理を電子化することは、経費削減に直結する効果的な手段です。紙やインクの消費を減らすだけでなく、物理的な保管スペースの確保や文書の紛失リスクも軽減されます。

 

さらに、データの検索や共有が容易になることで業務効率も向上し、時間の節約にもつながります。電子化により、情報のセキュリティも向上し、アクセス権限の管理が可能になるため、企業全体の生産性とコスト削減が同時に実現できます。

 

なお、経理業務のペーパーレス化やDX化については、以下の記事も参考にしてください。

 

経理DXとは?始め方と導入するメリットや成功の秘訣を解説
経理DXとは?始め方と導入するメリットや成功の秘訣を解説

 

AIやRPAで業務を自動化する

 

AIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入して業務を自動化することで、経費削減と業務効率化が図れます。日常的な定型業務を自動化することで、人件費を削減し、従業員がより価値の高い業務に集中できるようになります。

 

また、ミスを減らし、作業スピードも向上するため、全体の生産性が向上します。初期投資は必要ですが、長期的には大きなコスト削減効果が期待できる手法です。

 

なお、経理業務とAIの活用については、以下の記事でも紹介しています。

 

経理の仕事はAIでなくなるのか?働き続けるのに必要なスキルを紹介
経理の仕事はAIでなくなるのか?働き続けるのに必要なスキルを紹介

 

不必要な接待や出張をなくす

 

 

不必要な接待や出張を見直すことは、即効性のある経費削減方法です。対面での打ち合わせが必要な場合でも、オンライン会議ツールの活用により移動時間や交通費を削減でき、効率的なコミュニケーションが可能になります。

 

また、接待費用は見直しを行うことで、大幅に節約できる可能性があります。無駄を省きつつ、必要な場合には質の高い対応を維持することで、コストを削りながらもビジネスの質を保てます。

 

業務のマニュアル化や標準化を進める

 

 

業務のマニュアル化や標準化を進めることは、経費削減だけでなく業務効率の向上にもつながります。作業の手順を明確にし、誰でも同じクオリティで業務を遂行できるようになるため、教育コストや時間の削減が可能です。

 

また、属人化を防ぐことで、担当者の急な休職や退職時の影響を最小限に抑えることができ、結果として安定した業務運営が実現します。

 

備品は新品ではなく中古品を検討する

 

経費削減のために、備品は新品だけでなく中古品の活用も検討することが効果的です。デスクやチェア、パソコンなど、型落ち品や中古品でも十分に業務に支障がない場合が多く、コストを大幅に抑えることができます。

 

また、環境への配慮としてリサイクル意識も高まるため、企業の社会的責任の観点からも好ましい選択と言えるでしょう。

 

テレワークやフリーアドレスを取り入れる

 

 

テレワークやフリーアドレスの導入は、オフィスの固定費を削減し、経費削減につながります。オフィスの面積を縮小することで賃料や光熱費の削減が可能になります。

 

また、従業員は働く場所を選べる自由度が増すことで、通勤時間の削減やワークライフバランスの向上にもつながります。結果として、社員のモチベーション向上や生産性のアップも期待できるため、経営者と社員の双方にとってメリットがあります。

 

ガスや電気の契約を見直す

 

 

ガスや電気の契約内容を見直すことで、エネルギーコストを大幅に削減することが可能です。特に、契約プランが古い場合では、利用状況に応じて最適なプランに変更することで、見えない無駄を削減できます。

 

また、節電意識を従業員に促すことも重要で、小さな行動の積み重ねが経費の削減につながるでしょう。加えて、エネルギーの効率的な利用は、環境面でもプラスの影響をもたらします。

 

月額費用のかかるサービスを見直す

 

月額費用のかかるサービスを定期的に見直すことで、無駄な支出を削減できます。特にサブスクリプション型のサービスは使われていない場合も多く、継続的に費用が発生していることに気づかないことがあります。

月額制の契約について必要性を再評価し、利用頻度や代替手段の有無を確認することで、コスト削減の効果が期待できます。不要なサービスを解約するだけでも、月々の経費に大きな変化をもたらします。

 

例えば、会計ソフトやツールの見直しを行うこともおすすめです。会計ソフトを乗り換えるタイミングについては、以下の記事も参考にしてください。

 

会計ソフトを乗り換えるタイミングはいつがベスト?注意点や手順を解説!
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インターネット回線を利用した電話に変える

 

 

固定電話からインターネット回線を利用したIP電話に切り替えることは、通信コストの削減に効果的です。特に、国際電話や長距離通話のコストを抑えることができるため、取引先とのコミュニケーションが多い企業には大きなメリットとなります。

 

さらに、IP電話は複数の拠点間での通話が無料になる場合も多く、全体のコスト削減につながります。

 

 

補助金や助成金を申請する

 

 

国や地方自治体が提供する補助金や助成金を活用することは、経費削減に直結します。特にIT導入支援や省エネ対策、人材育成に関する助成金など、企業の成長をサポートする資金源を有効活用することで、初期投資や運営コストの一部を賄うことができます。

 

申請手続きは多少手間がかかりますが、長期的に見て経費を大幅に削減する効果が期待できるため、積極的に取り組む価値があります。

 

経費精算システムを導入する

 

 

経費精算システムを導入することで、手作業での入力ミスを減らし、処理時間を大幅に短縮することが可能です。その結果、経理業務の効率が向上し、コスト削減だけでなく、業務のスピードアップも実現します。

また、従業員の負担も軽減され、リアルタイムで経費の状況を把握できるため、無駄な支出を早期に発見して対策を講じることもできるでしょう。

 

なお、経理精算システムの選び方については、以下の記事も参考にしてください。

 

経費精算システムの選び方とは?導入のメリット・デメリットを解説
経費精算システムの選び方とは?導入のメリット・デメリットを解説

 

 

経費精算のアウトソーシングをする

 

 

経費精算業務をアウトソーシングすることで、内部の人件費削減と業務効率の向上を同時に実現できます。専門業者に任せることで、精算の正確性が向上し、従業員はコア業務に集中できる環境が整います。

 

また、最新の法規制に対応した精算業務を行うことができるため、法的リスクの軽減も期待でき、長期的なコスト管理の観点からも効果的です。

 

なお、経費精算を含む経理業務の代行サービスについては以下の記事も参考にしてください。

 

経理代行とは?サービス内容・メリット・選び方を詳しく解説
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まとめ

経費削減は、企業のコスト削減から利益の増加につながりますが、間違った方法を選択してしまうと、かえってコスト増加につながってしまいます。

 

例えば、人材育成や研究開発費などの削減は、将来への投資をやめてしまうことを意味して、企業における競争優位性を奪ってしまうことにもなりかねません。

 

そのため、経費削減は正しい方法で行う必要があり、経理代行会社などの専門家の意見を取り入れる必要があるでしょう。

 

ビズネコでは、経理代行・アウトソーシングサービスを提供しています。経費削減のアドバイスや、財務のコンサルティング、経費精算ツールの選定まで幅広く対応が可能なため、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

やってはいけない経費削減のよくあるご質問

やってはいけない経費削減に関するお問い合わせを多数いただきます。ここでは、やってはいけない経費削減に対するよくあるご質問について回答をまとめて紹介しています。ぜひ、参考にしてください。

安易に削減してはいけないコストは何ですか?

安易に削減してはいけないコストには、人材育成や研究開発、商品やサービスの品質維持に関連する費用があります。これらは企業の成長や競争力の維持に必要不可欠で、削減すると将来的な技術力の低下や顧客満足度の低下を招き、最終的には企業の存続に影響を与えるリスクがあります。

会社はなぜ経費削減するのでしょうか?

会社が経費削減を行う理由は、利益を確保し財務体質を強化するためです。市場競争が激化する中でコストを抑えることにより、利益率を向上させ、景気の変動や経済的不安に備える資金の余裕を持つことができます。また、経費を見直すことで無駄を排除し、効率的な運営を実現する狙いもあります。

経費削減に優先順位はありますか?

経費削減には優先順位があります。まずは無駄な出費や不要なサービスを削減し、業務に直接影響を与えない部分から見直すことが重要です。成長戦略に不可欠な投資や従業員のモチベーションに関わる費用は慎重に検討し、安易に削減しないことが求められます。計画的な削減で持続的な成長を目指すことが理想です。

この記事の監修者

菊池 星

菊池 星

東北大学卒業後に野村證券株式会社入社。資産運用における法人営業成績では同世代で全国1位を獲得し、その後中小企業向けの財務コンサルタントに選抜される。2021年からは、金融・ITコンサルタントとして企業向けに活動を始め、2022年6月から株式会社 full houseをスタートさせる。コンサルティングの経験から、代表取締役として、経理代行・アウトソーシングの「ビズネコ」を事業展開している。