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過入金とは?仕訳や返金対応の方法と勘定科目を解説
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過入金とは?仕訳や返金対応の方法と勘定科目を解説

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取引先からの入金額が、請求金額を上回っていた経験があるかもしれません。このようなケースで発生する「過入金」は、企業の信用や取引関係に影響を及ぼしかねない重要な問題です。請求側と入金側いずれのミスでも生じるため、誰にでも起こる可能性のあるトラブルといえるでしょう。過入金が発生した場合、速やかな確認と適切な対応が求められます。放置すると「不当利得」と判断されるリスクがあり、顧客との信頼関係にもヒビが入ってしまいます。

 

本記事では、過入金が起こる原因をはじめ、返金処理や会計上の仕訳方法、勘定科目の選定など、対応策をわかりやすく解説します。正しい知識と対処法を身につけ、トラブルを未然に防ぎましょう。

 

過入金とは?

過入金とは、本来請求した金額や支払うべき金額を超えて、取引先や顧客から多くの金額が入金されてしまうことを指します。企業間の取引に限らず、個人とのやり取りでも起こりうるもので、発生する原因や背景にはさまざまなケースがあります。

例えば、請求書の金額を確認せずに振込を行った結果、本来の支払額よりも多くの金額を送金してしまうといったケースや、同じ請求書に対して誤って二重に入金してしまうといったミスがあげられます。過入金は、どちらか一方のミスによって発生するものの、そのまま放置してしまうと取引先との信頼関係に悪影響を及ぼしかねません。

 

さらに、会計処理においても過入金は注意が必要で、適切な対応を取らなければ「不当利得」として法的な問題に発展する可能性もあります。ビジネスの現場では、金銭のやり取りにおけるトラブルを防ぐためにも、過入金という現象を正しく理解し、発生時にはスピーディかつ正確に対応する姿勢が求められます。

 

過入金と不足金の違い

 

取引先や顧客から多くの金額が入金されてしまうお金を「過入金」と呼びます。一方で、入金金額が少ない場合は、「不足金」と呼びます。以下の表では、過入金と不足金の違いをまとめていますので参考にしてください。

 

 

項目 過入金 不足金
定義 請求金額より多く入金された状態 請求金額より少なく入金された状態
原因 二重請求、二重振込、金額の誤入力など 振込ミス、請求書の見落とし、端数ミスなど
影響 返金対応が必要、不当利得のリスク 差額請求が必要、入金遅延の扱いになることも
対応方法 返金処理、相殺処理、少額なら調整も可能 追加入金依頼、再請求、差額の管理対応

過入金が起きてしまう2つの要因

過入金が起きてしまう要因には、請求者側のミスで過入金が発生する場合の「二重請求」と入金者側のミスで過入金が発生する場合の「二重振込」の2つの要因があります。ここでは、それぞれの要因について詳しく解説します。

 

二重請求:請求者側のミスで過入金が発生する場合

 

過入金が起きる要因のひとつが、請求者側のミスによる「二重請求」です。これは、同じ内容の請求書を誤って二度送付してしまったり、請求金額に誤りがあり本来よりも高い金額を記載してしまったりすることで発生します。

 

例えば、請求管理システムへの入力ミスや、社内での情報共有不足により、すでに請求済みの案件に対して再度請求処理を行ってしまうケースなどがあげられます。取引先が請求に基づいて振込を行えば、当然ながら請求額以上の金額が入金されることになり、過入金となってしまいます。

 

二重請求を防ぐには、請求書発行のフローを見直し、社内での確認体制を強化することが重要です。また、過去の請求履歴を正確に管理しておくことも、ミスを防ぐポイントになります。なお、請求のミスは経理業務を一人の経理担当者の方が対応している場合に起こりやすいです。いわゆる「一人経理」のリスクについては、以下の記事も参考にしてください。

 

一人経理に潜むリスクとは?業務負担度チェックリストと解決策
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二重振込:入金者側のミスで過入金が発生する場合

 

過入金の原因としてよくあるのが入金者側の「二重振込」です。取引先が同じ請求に対して誤って2回振込を行ってしまうミスで、実務の中では意外と頻繁に発生するトラブルのひとつです。

 

例えば、社内の複数の担当者が同じ請求書を処理してしまい、それぞれが独立して振込手続きを行った場合や、振込済みであることを失念して再度送金してしまったケースなどがあげられます。また、銀行の振込予約機能を利用していた場合、意図せず予約と即時振込が重なってしまうこともあります。

 

こうした入金ミスが発生すると、受け取った側ではすぐに気づかない場合もあり、後々の返金対応に時間や労力を要することになります。そのため、入金者側でも振込手続きの際は慎重な確認が大切です。なお、入金ミスを防ぐためには、振込代行サービスを導入することもおすすめです。振込代行については、以下の記事でまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

 

振込代行サービスとは?メリット・デメリット・選び方のポイントを解説
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過入金が発生した際には返金対応が必要になる理由

過入金が発生した際には返金対応が必要です。返金対応が必要になる理由や対応をしないリスクとして以下のような点があげられます。

 

  • 返金しないと不当利得に該当してしまう
  • 返金が遅れると顧客との関係が悪化してしまう
  • クレームやトラブル対応の負担が増えてしまう

 

ここでは、それぞれの理由やリスクについて具体的に解説します。

 

返金しないと不当利得に該当してしまう

 

過入金が発生したにもかかわらず、返金などの適切な対応をせずに放置してしまうと、法律上「不当利得」に該当する可能性があります。不当利得とは、本来受け取る権利のない金銭や利益を得ている状態を指し、正当な理由なく保有を続けることは法的に認められていません。

 

例えば、取引先が誤って二重に入金していたにもかかわらず、気づいていながらそのままにしていた場合、後に返還請求を受けることになり、場合によっては訴訟に発展する恐れもあります。

 

こうしたリスクを避けるためにも、過入金が判明した時点で早急に事実確認を行い、必要に応じて返金手続きを進めることが重要です。信頼関係を維持するだけでなく、自社の法的リスクを軽減するためにも、誠実で透明性のある対応が求められます。

 

返金が遅れると顧客との関係が悪化してしまう

 

過入金への対応が遅れてしまうと、取引先や顧客との信頼関係に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、過入金に気づいていながら何の連絡もなく放置した場合、相手側は不信感を抱き、「誠実な対応がされていない」と受け取られる恐れがあります。

 

例えば、誤って多く支払った顧客が返金を求めたにもかかわらず、社内確認や手続きに時間がかかり、何週間も返金されないというケースでは、クレームや契約の見直しに発展することもありえます。

 

こうした事態を防ぐには、過入金が発生した時点で速やかに連絡を取り、今後の対応について丁寧に説明することが重要です。取引先との円滑な関係を保ち、ビジネスを安定して継続させるためには、スピード感のある誠実な対応が求められます。

 

クレームやトラブル対応の負担が増えてしまう

 

過入金に適切に対応しない場合、その後のクレームやトラブル対応に多大な労力を要することになります。例えば、顧客からの返金依頼に対応せずに放置した結果、問い合わせが増え、担当者の電話対応やメール返信に追われてしまうような事態です。

 

一度の対応ミスがきっかけで、信頼を損なうばかりか、社内のリソースも削られ、他の業務に支障をきたすことにもなりかねません。また、悪質とみなされた場合は、SNSなどで情報が拡散し、企業イメージの低下につながる恐れもあります。こうした二次被害を防ぐためにも、過入金の発覚時には速やかな対応が欠かせません。初動の遅れや対応の曖昧さが、結果として企業全体に大きな負担をもたらすことに注意しましょう。

過入金が発生した際の対応方法

過入金が発生した際の対処方法は以下の手順で行いましょう。なお、取引先や顧客に連絡した後の対応方法は3つに分かれます。

 

  • step1:取引先や顧客に連する
  • step2:【方法1】返金処理を進める
  • step2:【方法2】翌月に持ち越して相殺する
  • step2:【方法3】少額のため返金しない

 

ここでは、それぞれの対応方法について詳しく解説します。

 

step1:取引先や顧客に連絡する

 

過入金が発覚した際には、まず最初に取引先や顧客に対して速やかに連絡を取ることが大切です。金銭が絡む問題であるからこそ、相手に不安や誤解を与えないよう、丁寧かつスピーディな対応が求められます。

 

例えば、振込金額と請求金額に差異があることに気づいた時点で、電話やメールを通じて事情を確認し、事実関係を共有することが重要です。連絡が遅れると、相手が先に気づいて不信感を抱いてしまう可能性があるため、早めの行動が信頼関係を守るカギになります。

 

また、連絡時には、今後の対応方針についても併せて説明するとスムーズです。ただし、電話での口頭確認だけではなく、メールやFAXなど書面で残しておくとその後のトラブルを防ぐことにもつながります。

 

step2:【方法1】返金処理を進める

 

事実確認が完了したら、返金を進めていきましょう。返金処理には、以下の2つの場合があります。

 

  • 請求側(当方)が原因で過入金の場合
  • 入金側(先方)が原因で過入金の場合

 

ここでは、それぞれの原因における返金処理の方法を紹介します。

 

請求側(当方)が原因で過入金の場合

 

過入金が請求側、つまり自社のミスで発生した場合は、速やかに謝罪の意思を示し、返金処理を進めるのが基本となります。例えば、請求書を誤って二重に発行していたことが原因だった場合、相手がそのまま二重の金額を振り込んでしまった責任は明確に当方にあります。

 

このようなケースでは、まず謝罪の連絡を行い、その後、返金先の口座情報や返金方法について確認を取り、正確に処理を行う必要があります。誠意ある対応をすることで、相手の信頼を損ねるリスクを最小限に抑えることができ、今後の取引にも悪影響を与えずに済む可能性が高まります。

 

入金側(先方)が原因で過入金の場合

 

過入金の原因が取引先など入金者側にある場合でも、受け取った側としての適切な対応が求められます。例えば、相手が誤って二度同じ金額を振り込んでしまった場合や、本来の請求金額を見誤って多めに入金してしまったケースなどが該当します。

 

この場合は、事実確認のうえで相手に状況を丁寧に説明し、返金方法について相談することが大切です。たとえ自社に非がないとしても、返金処理をスムーズに行うことで、相手に対する信頼や配慮の姿勢が伝わり、良好な取引関係を維持することにつながります。お金のやり取りは感情にも影響するため、冷静で誠実な対応がポイントです。

 

step2:【方法2】翌月に持ち越して相殺する

 

過入金が発生したものの、相手との合意が取れている場合には、翌月以降の請求金額と相殺する方法を取ることも可能です。例えば、毎月定期的に取引がある場合、過入金分を次回の請求額から差し引くことで、わざわざ返金手続きを行う手間を省くことができます。

 

ただし、この方法を選ぶ際には必ず先方(入金側)の了承を得る必要があり、書面やメールなど記録が残る形で合意を交わしておくことが重要です。一方的な判断で処理を進めると、後にトラブルへと発展する可能性もあるため、慎重な取り扱いが求められます。

 

相殺処理は手間が少なく、双方にとって合理的な対応策となるケースも多いため、状況に応じて柔軟に選択しましょう。

 

step2:【方法3】少額のため返金しない

 

過入金の金額がごく少額で、相手方と相談したうえで返金を省略するケースもあります。例えば、数十円や数百円といった事務手続きのコストが返金額を上回るような場合には、双方の合意のもと「次回の取引で調整する」「返金不要とする」といった判断が行われることもあります。

 

ただし、金額の大小にかかわらず、相手の了承を得ることが前提であり、一方的に返金しないという選択を取ることは適切ではありません。あらかじめ返金不要の意向を確認し、記録として残すことで、後々の誤解やトラブルを防ぐことができます。ビジネス上の信頼関係を守るためにも、少額であっても丁寧なコミュニケーションは大切です。

過入金における勘定科目と仕訳方法

過入金における勘定科目と仕訳方法について、以下のパターンに分けて紹介します。

 

  • 返金する場合
  • 翌日に持ち越す場合
  • 返金する場合

 

ここでは、それぞれのパターンについて仕訳例も踏まえて紹介します。

 

返金する場合の過入金の勘定科目と仕訳方法

 

過入金が発生した際に、返金処理を選択するケースでは、「未払金」などの勘定科目を活用して仕訳を行います。例えば、得意先から請求金額よりも多くの金額が振り込まれた場合、その差額分は返金義務が生じるため、入金時にいったん「未払金」として処理します。

 

その後、返金が完了したタイミングで「預金」などの科目を用いて仕訳し、過入金が解消されたことを帳簿上にも反映させます。このような処理を行うことで、帳簿と実際の取引内容にズレが生じるのを防ぐことができます。

 

特に、入金額が大きい場合や、複数の取引が重なる時期には、こうしたミスが起こりやすいため、金額確認を徹底し、必要な仕訳処理を正確に行うことが求められます。

 

入金当日の仕訳例

 

例えば、A社のWebコンサルティングを行っており、請求額が13,000円のところ、15,000円の入金があった場合は、以下のように仕訳を行います。

 

 

借方 金額 貸方 金額 概要
預金 15,000円 売掛金 13,000円 A社 Webコンサルティング費用
未払金 2,000円 A社 過入金のための返金予定額

 

返金時の仕訳例

 

返金時には以下のように仕訳を行います。

 

 

借方 金額 貸方 金額 概要
未払金 2,000円 預金 2,000円 A社 過入金のための返金

 

翌日に持ち越す場合の過入金の勘定科目と仕訳方法

 

過入金が発生したものの、得意先との話し合いにより次回の請求金額と相殺することになった場合、「仮受金」などの勘定科目を利用して処理を行います。例えば、請求額が16,000円に対して、入金が20,000円だった場合、4,000円分を次月の売掛金と相殺することになります。

 

この場合、入金当日には過入金分を「仮受金」として記録し、翌月に新たな請求を行った際に「売掛金」を計上し、相殺のタイミングで「仮受金」と「売掛金」を相殺する仕訳を行います。この処理により、帳簿の整合性を保ちつつ、返金の手間を省くことができるため、取引関係が継続している場合には実用的な方法です。

 

入金当日の仕訳例

 

請求額が16,000円に対して、入金が20,000円だった場合、4,000円分を「仮受金」として仕訳を行います。

 

借方 金額 貸方 金額 概要
預金 20,000円 売掛金 16,000円 B社 3月システム保守費用
仮受金 4,000円 B社 過入金(次回請求分と相殺)

 

翌月売上時の仕訳例

 

翌月の売上時には、通常の「システム保守サービス費」が16,000円のため、先月の仮受金4,000円を差し引いた12,000円で請求した場合の仕訳例は以下のとおりです。

 

借方 金額 貸方 金額 概要
売掛金 12,000円 売上高 12,000円 B社 4月分システム保守費用

 

相殺時の仕訳例

 

3月の仮受金を以下のように相殺して仕訳を行います。

 

借方 金額 貸方 金額 概要
仮受金 4,000円 売掛金 4,000円 B社 3月過入金分との相殺処理

 

少額のため返金しない場合の過入金の勘定科目と仕訳方法

 

過入金の金額が数十円や数百円など少額であり、相手先との合意のうえ返金を行わないと判断した場合には、「雑収入」などの勘定科目を用いて処理を行うことになります。例えば、24,800円の請求に対して25,000円が振り込まれた場合、200円の差額は返金せず、帳簿上は収益として処理します。

 

このとき注意すべき点は、相手から返金不要の確認を必ず得ておくことです。勝手に雑収入として処理することは、後のトラブルの火種になりかねません。記録を残したうえで仕訳処理を行うことで、透明性と正確性を確保できます。

 

入金当日の仕訳例

 

例えば、24,800円の請求に対して25,000円が振り込まれた場合、200円の差額は返金しないことに同意された場合は、以下のように「雑収入」として仕訳を行います。

 

借方 金額 貸方 金額 概要
預金 25,000円 売掛金 24,800円 C社 広告運用サポート費用
雑収入 200円 C社 過入金分(返金不要確認済

過入金を予防する対策方法

過入金を予防するための対策方法として以下の方法を紹介します。

 

  • ダブルチェック体制を整える
  • 経理代行会社を活用する

 

過入金は発生してから対応すると、経理担当者の負担が大きくなってしまいます。また、先方の担当者の方にも作業が生まれてしまうため、未然に防ぐことが大切です。ここではそれぞれの方法について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

 

ダブルチェック体制を整える

 

過入金を未然に防ぐためには、社内でのダブルチェック体制を整えることが効果的です。例えば、請求書の作成を担当者が行ったあと、別の社員が金額や振込先、請求対象の内容に誤りがないかを確認するフローを取り入れることで、入力ミスや重複請求といったヒューマンエラーを大幅に減らすことができます。

 

特に、請求書や入金管理の業務はルーティン化しやすく、慣れによる油断からミスが生まれることもあるため、あえて他者の目を入れる仕組みを設けることが大切です。また、確認の際には紙ベースだけでなく、会計システムや請求履歴のデータも併せて照合することで、より精度の高いチェックが可能になります。

 

業務のスピードだけではなく正確性を重視し、社内全体でミス防止の意識を共有することが、過入金の発生を抑えることにつながるでしょう。なお、経理の業務フローの改善については、こちらの記事も参考にしてください。

 

経理の業務フローとは?作成手順や効率化のポイントを解説
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経理代行会社を活用する

 

社内での過入金リスクを減らしたい場合、経理代行会社の活用もおすすめです。例えば、自社内の人手が足りず、請求書の発行や入金確認業務が属人化してしまっているような状況では、外部の専門業者に任せることでミスの発生を抑えることができます。

 

経理代行会社は、専門知識と経験をもったスタッフが標準化された手順で業務を行っているため、請求金額の管理や入金確認、未収金のチェックといった処理を正確かつ効率的に行ってくれます。

 

さらに、複数人でのチェック体制や専用ソフトによる管理により、二重請求や誤入金といったヒューマンエラーをシステム的に防ぐことができます。そのため、社内リソースをコア業務に集中させつつ、経理業務の精度を高める手段として、中小企業やベンチャー企業にとっては特に心強い存在となるでしょう。

 

なお、経理代行についてはこちらの記事も参考にしてください。

 

経理代行とは?サービス内容・メリット・選び方を詳しく解説
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まとめ

過入金は、請求者側のミスで発生してしまう二重請求と、入金者側のミスで発生してしまう二重振込があります。どちらの場合でも、返金しないと不当利得に該当してしまうため、返金対応が必要になります。

 

過入金が発生した際には、まずは取引先や顧客に連絡を取りましょう。その後は先方との取り決めにより、返金処理を進めるか、翌月に持ち越して相殺することになります。また、数十円や数百円のような場合には、少額のため返金しなくてもよいとされる場合もあります。ただし、先方の判断によるため、勝手に判断して返金しなくてよいわけではないため、注意しましょう。

 

過入金を予防するためには、経理経理代行会社の活用もおすすめです。

 

弊社では、経理代行と記帳代行サービスのビズネコを提供しています。日常的な記帳業務だけではなく、会計ソフトの導入支援から財務のコンサルティングまで幅広く対応が可能です。まずは、お気軽にお問い合わせください。

 

過入金に関するよくあるご質問

過入金についてのお問い合わせを多くいただきます。ここでは、過入金に関するよくあるご質問についてまとめて紹介します。

過入金とはどういう意味ですか?

過入金とは、請求金額に対して実際に振り込まれた金額が多すぎた状態を指します。例えば、請求書には8,000円と記載されていたにもかかわらず、振込側が誤って10,000円を入金してしまった場合、差額2,000円が過入金となります。過入金は請求側のミスや振側の操作ミスなどの要因で発生してしまいます。

過入金してしまった時はどのように仕訳しますか?

過入金が発生した場合、まず入金された金額全体を「預金」として計上し、本来の請求額を「売掛金」、超過分を「未払金」または「仮受金」として記帳します。例えば、13,000円の入金に対して請求が11,000円であれば、2,000円を一時的な負債として仕訳し、その後返金処理が行われた段階で消し込みます。

過入金を返さないとどうなりますか?

過入金を返金しない場合、その金額は「不当利得」と見なされ、法的に返還義務が発生します。例えば、振込ミスによる過入金をそのまま放置していると、相手方から返金請求を受けるだけでなく、トラブルに発展する可能性もあります。返金が遅れれば企業の信頼低下にもつながるため、迅速かつ適切な対応が求められます。

この記事の監修者

菊池 星

菊池 星

東北大学卒業後に野村證券株式会社入社。資産運用における法人営業成績では同世代で全国1位を獲得し、その後中小企業向けの財務コンサルタントに選抜される。2021年からは、金融・ITコンサルタントとして企業向けに活動を始め、2022年6月から株式会社 full houseをスタートさせる。コンサルティングの経験から、代表取締役として、経理代行・アウトソーシングの「ビズネコ」を事業展開している。